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2022 年度 実施状況報告書

5-ALA、リピッドバブルおよび低強度超音波を併用した音響力学療法に関する基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K20615
研究機関鳥取大学

研究代表者

横江 祈  鳥取大学, 農学部, 特命助教 (30953161)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード予備実験 / 実験条件の設定
研究実績の概要

超音波と5-アミノレブリン酸(5-Amino levulinic acid: 5-ALA)の併用による音響力学療法(Sonodynamic therapy: SDT)は、がんに対する 局所療法として注目されている。申請者は、マイクロバブル製剤であるリピッドバブル(Lipid bubbles: LBs)、5-ALAおよび低強度超音波(Low-intensity ultrasound: LIUS)を併用することにより、有効性の高いSDTを開発することを着想した。本研究では、5-ALA、LBsおよびLIUSを併用したSDT(5-ALA-LBs-SDT)の抗腫瘍効果に関する基礎的検討を実施した。令和4年度では、1) マウス乳癌細胞株であるEMT-6に5-ALAを添加し、蛍光顕微鏡を用いて観察したところ、代謝産物であるPpⅨの蓄積が確認された。2) また、腫瘍細胞に対する5-ALA-LBs-SDTの殺細胞効果の評価系を確立するために、種々の実験条件にて予備実験を実施した。初めは、プレート底面からの超音波照射を行っていたが、超音波散乱の影響か再現性のある実験結果が得られなかった。そのため、プレートの蓋を外し、液面に直接プローブを接触させて超音波照射をする方法に切り替えた。また、12wellプレート、24wellプレート、48wellプレート、96wellプレートを用いて実験を行ったが、48wellプレートよりウェル径が大きいプレートでは、ウェルの辺縁の細胞に超音波が均一に照射されておらず、実験結果にばらつきが生じやすくなった。そのため、96wellプレートを用いて実験を実施した。その結果、安定的な実験結果を得られることが明らかとなったため、以降は上記の方法にて予備実験を実施した。予備実験の結果、適切な実験条件の目安が付いたため、今後はこれらの予備実験の結果を基に本実験を遂行する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

事前の研究計画では、令和4年度に本実験まで実施できる予定であった。しかし、適切な実験条件の設定のために、想定以上に繰返しの予備実験が必要であったため、当初の計画よりも進捗は遅れている。

今後の研究の推進方策

令和5年度には、本実験として腫瘍細胞に対する5-ALA-LBs-SDTの殺細胞効果を評価する。EMT-6を96穴プレートに播種し、セミコンフルエントとなるまで培養する。5-ALAの添加4時間後、LBsを添加し、理学療法用超音波治療器(伊藤超短波株式会社)を用いてLIUSを照射する。24時間後の細胞生存率をMTTアッセイにより算出する。次に、犬の自然発祥がん由来の腫瘍細胞株を対象に、上記と同様の実験を行う。また、5-ALA-LBs-SDTの殺細胞効果の機序の解明のために、以下の実験を実施する。音響感受性物質を用いたSDTは、活性酸素種による酸化的損傷がアポトーシスを誘導するとされている。そこで、LBsを併用した際にも同様の機序により細胞死が生じるかを評価する。はじめに、上記実験と同様の手技で、各種腫瘍細胞に対して5-ALA-LBs-SDTを実施する。1時間後、トリプシンにより細胞を剥離・収集し、Muse Oxidative Stress kitを用いて活性酸素量を測定する。次に、カスパーゼ阻害薬であるZ-VAD-FMKを培養液に添加し、その後に各種腫瘍細胞に対して5-ALA-LBs-SDTを実施する。照射24時間後の細胞生存率をMTTアッセイにより算出し、アポトーシス抑制による殺細胞効果の変化を観察する。

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公開日: 2023-12-25  

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