細胞が分裂するときに遺伝情報を次世代に正確に伝えるためには、正確に染色体を分配する必要がある。本研究では、染色体分配に重要なタンパク質複合体であるキネトコアに着目し、その形成機構を明らかにすることで、正確な染色体分配の分子メカニズムの一端を明らかにした。具体的には、キネトコアの構成因子であるCENP-Tと、染色体分配時にのみCENP-Tに結合するMis12Cとの結合が、どのようにして制御されているのかを構造生物学的解析・細胞生物学的解析を組み合わせて調べた。これらの結合は、タンパク質のリン酸化により二重に制御されており、そのことによって、染色体分配の頑強性が保たれていることが明らかになった。
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