極めて安全で安価な元素である典型金属ビスマス(Bi)は、毒性の高い遷移金属にとってかわる新たな元素であり、それを触媒とした反応開発が近年注目されている。これまでBiは、酸化還元触媒としての機能はほとんど知られていないことから、本研究ではBiを触媒とする脱水素型クロスカップリング(CDC)反応の開発に取り組んだ。その結果、ビスマストリフラート―酸素条件により3-ヒドロキシカルバゾールと2-ナフトールのCDC反応の開発に成功した。本反応は、多様な基質にも適用できることを明らかにし、全21種、最大94%収率で目的のカップリング生成物を得た。
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