個々の血管の状態変化やプロセスにおける,血管内皮の遺伝子発現変化やエピゲノム調節因子の詳細な関与などは不明であり,血管の発芽から新生血管の安定化までの全過程における個々の内皮細胞の転写制御のダイナミズムや運命決定におけるその意義を統合的に解析した本研究は,病的血管新生や血管疾患治療のアプローチの観点からも重要である. また本研究成果は,血管新生時の遺伝子発現変化を体系的に理解するのみならず,遺伝子発現プロファイルの一部を既にデータベース上で公開しており,血管生物学研究自体を推進していく意味でも非常に意義深いと考えている.
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