研究課題
研究活動スタート支援
薬剤と近赤外光を用いる新たながん治療法である光免疫療法における新規薬剤開発を目的として、ペプチドの標的指向性分子としての利用について検討した。結合能の比較から2価ペプチドが1価ペプチドより標的指向性ペプチドとして適していること、一定の長さを有するリンカーを介してペプチドと光感受性色素を結合した薬剤が近赤外光照射量および薬剤濃度依存的に光免疫療法様の細胞死を誘導することを見出した。
創薬化学
本研究では、容易に作製・改変が可能かつ安価であり、抗体同様に標的指向性を有するペプチドを基盤とした新規光免疫療法薬の合成および評価を行った。ペプチドが光免疫療法の標的指向性分子となり得るという本研究成果をもとに、がん細胞等に特異的に発現している他の標的に結合する既知のペプチドを用いることで、同様に光免疫療法薬の開発を行うことが可能となるため、本研究は大きな学術的意義を持つ。また、この手法は多くのがんに対して光免疫療法を実施できるようになる可能性を有しており、この点で社会的にも大きな意義を持つ。