研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、アミノ酸の一つであるチロシンをショウジョウバエが認識し、その欠乏に適応するメカニズムの解明を目指した。未知のチロシン感知機構の解明のため、チロシンに結合することが予測された核内受容体に着目し、リガンド結合解析や生理的機能の解析を介して、チロシン応答に対する寄与を明らかにした。また、哺乳類細胞を用いたスクリーニングにより、新たにスプライシングファクターがチロシン感知に関与する可能性を見出した。
分子栄養学
本研究により、これまでほとんど知られてこなかった生体内でのアミノ酸認識から端を発する栄養応答機構について、新たな知見を得ることができた。栄養応答の破綻は代謝疾患やがんの悪性度、老化といった広範な生理状態あるいは病態に影響を及ぼす。重要性が見過ごされていたチロシンという非必須アミノ酸が持つ、隠れた生理作用やその作用機序の解明は、健康長寿社会の実現に資する可能性が期待される。