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2023 年度 実施状況報告書

毛細血管幹細胞による骨格筋分化の証明と分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20733
研究機関旭川医科大学

研究代表者

中島 恵一  旭川医科大学, 医学部, 講師 (70362150)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワードペリサイト / 骨格筋 / NG2陽性細胞
研究実績の概要

骨格筋再生の研究は、衛星細胞を中心に進展してきたが、近年、衛星細胞以外の細胞も骨格筋再生に関与することが報告されている。本研究では遺伝子改変マウスを用いてNeural-glial antigen 2(NG2)陽性ペリサイトが、生体内において骨格筋に分化することを示し、その分化メカニズムを解明することを目的としている。
令和5年度は、以下の3つの実験を行った。
①抗NG2抗体によるMACS法によりNG2陽性ペリサイトを採取し、その細胞増殖について解析した。様々な因子でNG2陽性ペリサイトを処理し、WST法で細胞増殖活性を測定した。その結果、lactoferrinが同細胞の増殖を促進することが明らかとなった。lactoferrinによるNG2陽性ペリサイトの増殖は濃度依存的であった。NG2陽性ペリサイトは、lactoferrinの受容体として働くことが知られているlow density lipoprotein receptor related protein 1(LRP1)を発現していた。lactoferrinはosteoblastやfibroblastなどの細胞増殖を促進することが報告されており、NG2陽性ペリサイトの増殖促進因子と考えられることから、今後、さらに解析を進める予定である。
②骨格筋分化誘導後のNG2陽性細胞の網羅的遺伝子解析の結果、骨格筋分化に係わるマーカー遺伝子の発現に伴って、Ninjurin1や種々のサイトカインの発現亢進が観察された。
③Cardiotoxinによる骨格筋損傷モデルを構築し、中心核の出現や骨格筋線維再生の変化を観察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は、主にNG2陽性ペリサイトの分子細胞レベルの解析を中心に行い、その細胞特性の一部を明らかにすることができたが、細胞の調製に時間を要し、動物レベルの実験の進捗がやや良くなかった。

今後の研究の推進方策

遺伝子改変マウスのCardiotoxinによる骨格筋損傷において、骨格筋再生能、衛星細胞の動態などについて解析する。細胞レベルの解析ではNG2陽性ペリサイトの増殖、分化についてさらに検討する。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子改変マウスの準備が間に合わなかったことから、動物実験の例数が少なくなり次年度使用額が生じた。すでにマウスの繁殖を進めていることから、次年度中に動物実験を試行する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] NG2-positive pericytes regulate homeostatic maintenance of slow-type skeletal muscle with rapid myonuclear turnover2023

    • 著者名/発表者名
      Tatsukawa Takamitsu、Kano Kohei、Nakajima Kei-ichi、Yazawa Takashi、Eguchi Ryoji、Kabara Maki、Horiuchi Kiwamu、Hayasaka Taiki、Matsuo Risa、Hasebe Naoyuki、Azuma Nobuyoshi、Kawabe Jun-ichi
    • 雑誌名

      Stem Cell Research & Therapy

      巻: 14 ページ: 205

    • DOI

      10.1186/s13287-023-03433-1

  • [学会発表] NG2陽性周細胞は迅速な筋核のターンオーバーを介して遅筋の恒常性維持に寄与する2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤栄晃、竜川貴光、櫻井由香里、小林 祐也、佐久間寛史、中島恵一、矢澤隆志、鹿原真樹、竹川政範、川辺淳一
    • 学会等名
      骨格筋生物学研究会

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公開日: 2024-12-25  

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