研究課題
研究活動スタート支援
食後の体熱産生(食事誘発性熱産生)は健康維持において重要な役割を担うと考えられているが、この作用の中枢機序は不明な点が多い。本研究では、腸から分泌される食後ホルモンglucagon-like peptide-1 (GLP-1)が脳視床下部の一部のバソプレシン神経を介して、食事誘発性熱産生を誘導していることを化学遺伝学的手法で明らかにした。本研究は食事誘発性熱産生のメカニズムの一端を解明した。
生理学
食後の体熱産生は、過剰なエネルギーの放出や体温維持などの観点で健康維持に重要な生理応答と考えられている。本研究は、食後に分泌されるGLP-1が体熱産生を誘導することを見出し、この作用を調節する視床下部神経を同定した。食事誘発性熱産生のメカニズムの解明は、食事と代謝によるエネルギー収支の恒常性を生理学的に理解するために重要であり、代謝疾患の新規治療法開発にも役立つ基盤研究となる。