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2022 年度 実施状況報告書

川崎病モデルマウスによる冠動脈炎の病態形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20757
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

藤田 聖実  滋賀医科大学, 医学部, 診療登録医 (90834250)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード川崎病 / 冠動脈炎 / FK565 / NK細胞
研究実績の概要

川崎病は日本人小児に多く発症する原因不明の疾患で、全身性血管炎を伴い、特に冠動脈に強く炎症が惹起される。川崎病の病因・病態解明のためには浸潤細胞を含む炎症局所の解析が必要であるが、患者の冠動脈組織を得ることは通常困難であるため、モデルマウスが広く使われており、そのひとつとしてFK565マウスが知られている。本研究は、FK565マウスを用いて、川崎病における冠動脈炎の病態形成にNK細胞が寄与するメカニズムを解明することを目的とした。
病態形成へのNK細胞の関与を調べるため、NK細胞を除去したマウスにおいてFK565の投与により川崎病を誘導したところ、冠動脈炎を発症しないことを確認した。また、心臓および血液のフローサイトメトリーを行い、血液中のNK細胞が除去されていること、および冠動脈を含む心臓内にも炎症細胞が浸潤していないことを確認した。これらの結果に加えて、FK565マウスの心臓から単離したNK細胞におけるケモカイン受容体の発現をリアルタイムPCR法にて検討したところ、FK565マウスおよび未処置マウスの血液中NK細胞と比較して、心臓に浸潤するNK細胞ではケモカイン受容体CX3CR1の発現が亢進していることを見出し、CX3CR1を発現するNK細胞の川崎病の冠動脈炎発症への関与の可能性を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

NK細胞を除去したマウスにFK565を投与することにより川崎病を誘導したところ、冠動脈炎を発症しないことを確認した。心臓に浸潤するNK細胞ではケモカイン受容体CXCR3の発現が亢進している可能性を考えていたが、心臓のフローサイトメトリーにより、FK565マウスの心臓に浸潤するNK細胞ではCXCR3ではなくCX3CR1の発現が亢進していることを確認した。加えて、FK565マウスの心臓から単離したNK細胞におけるケモカイン受容体の発現をリアルタイムPCR法にて検討したところ、FK565マウスおよび未処置マウスの血液中NK細胞と比較して、CX3CR1の発現が亢進していることを見出した。

今後の研究の推進方策

マウス血液からNK細胞を単離し、CX3CR1遺伝子を組み込んだレンチウイルスを感染させ、移入実験を行い冠動脈炎が惹起されるかどうかを確認する。

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公開日: 2023-12-25  

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