本研究では、T細胞によるMHC-I欠損抵抗性がん細胞の殺傷を可能にするような新しい分子経路がないか、ゲノムワイドCRISPRスクリーニングを用いて探索した。オートファジーとTNFシグナル経路を標的として見出した。Rnf31遺伝子(TNFシグナル経路)とAtg5遺伝子(オートファジー関連遺伝子)を不活化すると、MHC-I欠損がん細胞がT細胞由来サイトカインに対して感受性化しアポトーシスによって死滅することが分かった。その分子機序として、オートファジーを阻害することで、サイトカインによる腫瘍細胞のアポトーシス誘導が増強されることを見出した。
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