自己免疫疾患への迷走神経刺激術については疼痛や疲労などに対して検討されているが、疾患活動性に対する影響をみたものは多くなかった。今回、腸管の免疫に重要な役割を持つT細胞の伝達異常を背景にもつモデルで迷走神経切断を行ったところ、疾患活動性は改善した。このことは、遺伝的背景に応じて、自律神経に与える影響が異なることを示しており、どのような症例が自律神経に対する介入を行うべきかを検討する必要があることにつながる。今回、迷走神経を切断することで腸内細菌の変容を認めており、表現型も予想とは異なるものになった。胸腺におけるT細胞選択異常が、自律神経を介した腸管免疫にも影響を与えることがわかった。
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