研究課題
研究活動スタート支援
中咽頭癌におけるHigh risk HPV関連癌の割合や予後が解明されてきたが、下咽頭癌・喉頭癌においては十分な検証データはなかった。本研究においては、患者組織サンプルの免疫組織化学染色やChromogenic in situ Hybridization法による解析により、HPV感染はRbの発現状態と関連性を示した。本研究においてもHPV感染は非感染癌と比べて有意に予後良好であったが、腫瘍の局在や広がり方によっては、HPV陰性と陽性で予後に差がないことを明らかにした。
人体病理学
一般的に予後不良と言われてきた頭頚部癌のなかでも、HPV関連癌は予後良好であることが解明されている。HPV関連癌の病態解明は、過剰治療を防ぎ、機能の温存と治療後のQOLの改善へ寄与する。HPV関連癌であっても腫瘍の局在や進展によってはHPV陰性の癌と予後に差がない場合があるという本研究結果により、HPV陰性の癌と同等の治療強度が求められるHPV関連癌があることが考察され、治療方針決定にHPV関連癌かどうかだけではなく、腫瘍の解剖学的な情報も重要となりうることが示された。