研究課題
研究活動スタート支援
本研究は小児がんである神経芽腫をモデルに、GREB1のがん発症・悪性化における生物学的役割を示し、成人がんに比べ少ない遺伝子変異によって小児がんが発症する分子機序を解明することを目的とするものである。神経芽腫においてGREB1は、MYCN遺伝子の増幅と、特定の神経芽腫サブタイプを背景として発現することが分かった。またGREB1はヒストン脱メチル化酵素と相互作用し、神経芽腫のアイデンティティーを制御していることが示唆された。
腫瘍生物学
小児がんにおいても、成人がんと同様にゲノム解析や遺伝子発現解析といった網羅的なデータが蓄積されてきたが、それらの異常がどのように連続的に関連するのか、その分子実体は不明のままである。そのため、介入可能な標的分子の同定が難しく、小児がんにおいて使用可能な分子標的治療薬が現状では少ない。本研究は小児がん特有の発がん機構を分子レベルで明らかにすることで、成人がんと異なる治療戦略を開発する端緒となりうる点で大きな意義がある。