血管肉腫におけるTGF-βシグナル伝達経路に関連する各種分子の発現レベルを解析した結果、血管肉腫細胞株において核内に蓄積して遺伝子転写反応を調節するSmad1/5とSmad2/3のリン酸化に有意な差はなかったが、TGF-βタイプII受容体とALK1およびALK5の両方のレベルは、正常血管内皮細胞と比較して血管肉腫細胞株で有意に増加していた。また、血管肉腫細胞株においてTGF-βのレベル低下が認められたにも関わらず、その刺激によるシグナル伝達経路の過剰反応が示唆されることが分かった。TGF-βシグナル伝達経路の解明が新規治療につながる可能性がある。
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