肺血管内皮細胞から分泌される分子のうち、抗がん剤抵抗性に寄与する分子を探索した結果、SERPINE1を同定した。実際、リコンビナントSERPINE1を用いて乳がん細胞を刺激することで、パクリタキセルに対する抵抗性が向上した。 さらに、転移巣において肺血管内皮細胞でSERPINE1が発現するメカニズムについても解析を進めた。その結果、転移が起こった際に、血管透過性が亢進し、それに伴って肺血管内皮細胞でYAP-TEADが活性化されることによってSERPINE1の発現が上昇することが示された。以上、SERPINE1を阻害することで、乳がん肺転移における抗がん剤抵抗性を抑制できる可能性が示唆された。
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