食道扁平上皮癌および正常食道粘膜の臨床検体を採取し、オルガノイドライブラリの作成を行った.また周囲のがん関連線維芽細胞の培養樹立も行った.症例数は研究開始から1年半で約50検体におよび、樹立成功率はそれぞれ、癌オルガノイド:41%、正常食道上皮オルガノイド:78%、がん関連線維芽細胞:74%であり、既報と遜色ない結果であった. オルガノイドの表現型は生検組織ごとに異なる形態となっており、発現タンパクもそれぞれのオルガノイドで異なり、生検組織の性状を反映している傾向を見出した.薬剤に対するオルガノイドの反応は生検を行った患者自身の薬剤耐性を予想できる可能性が示唆された.
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