我々は、MO4細胞を腹膜播種したB6マウスをiPSC-pMCs投与群、iPSC-pMCs-41BBL投与群、抗PD-1抗体+ iPS-ML投与群、抗PD-1抗体+ iPSC-pMCs-41BBL投与群、コントロール群の5群に分け、抗PD-1抗体単独での治療と比較して、抗PD-1抗体と4-1BBL遺伝子改変iPS細胞の併用により、治療効果が上乗せされることを確認した。 さらに治療後の腫瘍組織を採取し、免疫染色を行なった。抗PD-1抗体と4-1BBL遺伝子改変iPS細胞の併用により治療を行なった腫瘍組織にて、腫瘍浸潤T細胞数が有意に増加していた。さらにflowcytometerにてT細胞の分布を調べることで、CD8+T細胞の割合が有意に増加していることを確認した。 我々は、上記の結果は4-1BBL遺伝子改変iPS細胞が腫瘍微小環境をcold tumorからhot tumorに変化させ、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)である抗PD-1抗体の効果をより高いものにする可能性を示唆するものと考えている。 また、実用化にむけて、アロ環境での治療の効果や副作用についても検討しており、129系統のiPS細胞から樹立したiPSc-PMCsに41BBLを遺伝子導入した129iPSc-PMCs-41BBLと抗PD-1抗体の併用における上乗せ効果も確認した。 現在、治療後の腫瘍について、マクロファージのマーカーであるCD68、CD163、CD204、CD206等の免疫染色を行い、腫瘍浸潤マクロファージの性状を確認している。
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