研究課題/領域番号 |
22K20834
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
冨永 信太 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (10868722)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | がん免疫療法 / 樹状細胞ワクチン |
研究実績の概要 |
より免疫原性の高いTAAとしてMesothelin (MSLN)をターゲットとした.また,iPSDCsの抗原提示能を増強する工夫として,ユビキチンプロテアソーム系による抗原プロセッシングに着目した. その結果,(1) 3名の健常人ドナーからMSLN遺伝子導入iPSDCs (iPSDCs-MSLN)を作成し,いずれのドナーにおいてもiPSDCs-MSLNにより誘導したCTLsは,MSLN発現ターゲット細胞に対する細胞傷害活性を示したことを証明した.また,ユビキチンとMSLNの融合遺伝子をiPSDCsに導入する効果として,(2)-1 iPSDCs内のMSLNタンパク発現を免疫染色とFACSで評価することで,Ub-MSLN融合遺伝子導入iPSDCs (iPSDCs-UbMSLN)ではiPSDCs-MSLNと比較してiPSDCs内でのMSLNの蛋白分解が亢進しており,その蛋白分解はプロテアソームに依存することが示された.また,(2)-2 Pentamer assayにより,iPSDCs内のMSLN蛋白分解の亢進は,iPSDCs-UbMSLNにおけるMSLN由来エピトープペプチドの抗原提示能を高め,iPSDCs-MSLNと比べてMSLN特異的CTLsをより多く誘導することを示した.さらに,(2)-3 iPSDCs-UbMSLNはiPSDCs-MSLNと比べて細胞傷害活性も高める可能性が51Cr-release assayにより示唆された.これらの結果から,ユビキチンとMSLNを同時に発現する遺伝子改変iPSDCsワクチンは,より多くのMSLN特異的CTLsを誘導し,より強力な細胞傷害活性をもたらすことを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のようにおおむね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、in vitroの研究も準備し、遂行していく
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度にin vitroなどの高額な支出が予想されるため
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