研究課題/領域番号 |
22K20850
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武藤 浩司 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60968262)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 小児の免疫寛容 / naive CD4+ T細胞 / Helios |
研究実績の概要 |
Heliosは免疫寛容への 関わりが強く示唆されることから、胎児期から成人期で の、Heliosの発現を中心とした Naive T細胞の解析を行い、免疫寛容を中心としたヒトの免疫機能の発達の解析を行っている。 臍帯血、小児及び成人の末梢血を採取、胎児血は早産児の臍帯血で代用した。小児および成人は基礎疾患がなく急性の疾患に罹患していない者が対象としている。単核球分離後に適切に分割し、液体窒素タンク中に凍結保存した。各年代10サンプル以上、合計100個程度のサンプル保存を目標としており、研究開始5ヶ月で合計50サンプルを回収した。回収したサンプルの一部を適宜融解して、フローサイトメトリーの解析およびソーティングを行った。解析については、細胞表面マーカーに加えてHeliosなどは細胞内染色を行った。主たる評価項目naive T細胞でのHeliosの発現である。また、ソーティングしたNaive T細胞からRNAを抽出し、qPCRにてIKZF2(Heliosの遺伝子名)の発現を比較した。 現在出ている結果では、予想通り、タンパクレベルでもRNAレベルでも新生児(臍帯血)や年少小児はHelios(IKZF2)の発現が高く、成人となると低かった。その間の小児期については現在サンプルを集めているところであり、その評価は今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年4月現在まで合計50人分の血液を採取、単核球分離し、分割して液体窒素中に凍結保存している。予定通り、研究の開始当初は実験手法が確立していないことから、細胞数に余裕のある臍帯血と成人末梢血から開始した。 臍帯血と成人末梢血を用いて、適した凍結方法と、解析手法を評価した。実験手法が確立したところで、小児の採血の回収も開始し、小児検体は12人分集められている。 予定外の事象としては、研究開始以降に東大病院で超早産児の出産がほとんどなかったため、超早産児で十分量回収・保存できた検体は1例に止まった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、検体の回収・保存を行いながら、解析を進めていく。今後は小児と超早産児の検体回収を主体としていく予定である。フローサイトメトリーとqPCR、ELISAでの解析でnaive T細胞のHelios発現を評価することをひとまずの研究の主目的とする予定である。 また今後の研究費次第であるが、Heliosにとどまらない成長期の各年代での遺伝子発現やエピジェネティックの変化をRNA-seqやDNAメチル化解析で評価していく予定である。
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