ヒトの免疫機能は、免疫記憶の獲得など成長・老化によって変化するが、免疫寛容と免疫応答のバランスも世代によって変化していく。新生児期や小児期は細菌感染症などが重篤しやすい一方で、一部の過剰な免疫応答が原因と思われる感染症(麻疹・風疹や新型コロナウイルス感染など)については成人ほど重篤化しない。これらの現象は免疫寛容優位から免疫応答優位に成長・老化によって変化していくことが原因の一つとして考えられる。 今回の研究で見出されたナイーブCD4+ T細胞でのHelios発現の変化は、新生児期から小児期に見られる免疫寛容優位などの特徴と、成長・加齢に伴う変化と深く結びついている可能性が考えられる。
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