研究課題/領域番号 |
22K20863
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
久保 裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80963488)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / キメラ抗原受容体 / CAR-T細胞 / BAFF / BLyS / B細胞 |
研究実績の概要 |
本研究では、SLEの自己免疫異常においてB細胞が中心的な役割を果たすとの考えのもと、SLEにおいてB細胞の制御を目的とした新しい根治療法の開発が目的である。腫瘍モデルで有効性が証明されているBAFF/BLySの受容体(BAFF-R、BCMA、TACI)を標的としたリガンド型のCAR-T細胞を作成、SLEモデルマウスに投与し、症状・検査所見、抗体産生能などに与える影響を評価する。 具体的には、まず、1.BAFF キメラ抗原受容体発現T細胞(BAFF CAR-T細胞)をコンストラクトから作成する。次に、2.作成したBAFF CAR-T細胞を、全身性エリテマトーデス(SLE)のモデルマウスとなるB6 SKGマウスに投与する。最後に3.マウス内でのBAFF CAR-T細胞の動態、治療効果を評価することを目的としている。 本年度は主に、マウスの脾臓から細胞を採取して、ビーズを用いてCD8T細胞をネガティブセレクションにより抽出した。CD8T細胞の増殖が得られにくいため、セレクションの方法や培養方法について検討した。検討後はCD19CAR DNAをレトロネクチンを用いてトランスフェクションさせ、CD19 CAR-T細胞を作成する。また、BAFF CAR-T細胞の作成も同様に行う予定である。そして、その後はSLEのモデルマウスであるB6 SKGマウスへの投与を行い、上記の評価項目について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CD8細胞の刺激・増殖がうまくいかず、その結果、CAR-T細胞の作製・培養に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
CD8T細胞の培養条件を定め、良質なCD19 CAR-T細胞を安定して作成する。また、並行して、BAFF CAR-T細胞のコンストラクト作成を行う。さらに、入手できたB6 SKGマウスで、SLE様症状が認められるか確認する。その後、BAFF CAR-T細胞作製とB6 SKGマウスに投与して、CAR-T細胞の動態やSLE様症状の推移について解析する。BAFF CAR-T細胞の作製に難渋する倍は、CD19 CAR-T細胞をB6 SKGマウスに投与し、B細胞制御によるSLEの治療効果について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞培養の検証に予想以上に時間がかかっている。それ以降に使用予定であったマウス・試薬などを使用しなかったたため、本年度使用予定であった研究費分が次年度の使用額として生じた。次年度に生じた研究費は、細胞の作製、マウスの購入、マウスの病理組織作成、フローサイトメトリーなどに使用する予定である。
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