研究課題
動脈硬化を基盤とする心血管病での無菌性炎症が、炎症と細胞死を制御するNLRP3インフラマソームを介して惹起されることが示されている。一方で最近、2本鎖(dsDNA)を認識して形成されるAIM2インフラマソームも無菌性炎症を惹起することが報告されているが、その心血管病態での役割や、NLRP3とAIM2の使い分けについては、未だ不明である。申請者はこれまで、AIM2欠損マウスを用いてAIM2インフラマソームが急性腎障害において重要な役割を果たしていることを報告している。まず、報告されているRNA-seqのデータベースを用いて解析を行い、ApoE欠損マウスの進行した動脈硬化病変においてAIM2発現がより増加していること、ヒト動脈硬化病変においても進行して不安定な動脈硬化プラークにおいてAIM2発現が増加していることが確認された。動物実験として、動脈硬化モデルであるApoE欠損マウスとAIM2欠損マウスを交配させてAIM2/ApoEダブル欠損マウスを作成し、ウェスタンダイエットを付加して検討した。ApoE単独欠損マウスと比較してAIM2/ApoEダブル欠損マウスでは、動脈硬化病変や壊死性病変のサイズ、線維化の程度に有意な差を認めなかった。今後は、動脈硬化の初期病変と進行病変といった病態ステージの違いについても、より詳細な解析を行っていく予定である。
すべて 2023 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 備考 (1件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
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