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2023 年度 実施状況報告書

高濃度酸素負荷を介した早産児における骨格筋インスリン抵抗性の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20866
研究機関順天堂大学

研究代表者

粟田 健太郎  順天堂大学, 医学部, 助手 (10964760)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワード高濃度酸素 / 骨格筋 / ラット / 筋委縮
研究実績の概要

早産児は一般的に、出生時の蘇生や入院管理中に酸素による呼吸補助を必要とすることが多く、本来は胎児として低酸素環境の子宮内にいるべきにもかかわらず、高酸素環境に曝されることが多い。一方、早産児あるいは胎児発育不全児は、成人期に骨格筋のインスリン抵抗性を伴う 2 型糖尿病などのメタボリックシンドロームの発症リスクが高いことが知られている。 高酸素に曝された早産児は慢性肺疾患(CLD)や未熟網膜症(ROP)のリスクが増加するが、骨格筋への長期的な影響はまだ明らかではない。 そこで、出生後のラットを一過性に高濃度酸素へ曝すことが、成長や骨格筋線維の萎縮やタイプの変化(遅線維の減少と速疲労線維の増加)に及ぼす影響を検討した。研究モデルは過去にCLDおよびROPの疾患モデルとして十分に確立された方法を採用した。ラットを出生から生後12日目まで80%の酸素に曝し、13日目、生後4週、生後12週に足の骨格筋(腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋)を摘出してWestern blot法にて分析した。
高濃度酸素負荷ラットは対照ラットと比較して生後4週までの体重が有意 (p < 0.05)に低値であったが、生後12週では同等であった。高濃度酸素負荷ラットは対照ラットと比較して、腓腹筋においてより高い高速ミオシン重鎖 (MyHC) の発現を示したが (p < 0.05)、萎縮マーカー(Atrogin1やMuRF-1)については両群間で差はなかった。また、ヒラメ筋と腓腹筋の高濃度酸素負荷群では抗酸化酵素であるカタラーゼの発現が低下していた。
以上より、出生後の高濃度酸素投与は骨格筋の発達に影響を及ぼす可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高酸素モデルの確立に成功し、解析を進めることができた。

今後の研究の推進方策

インスリン抵抗性についての評価を進め、発表論文を作成する。

次年度使用額が生じた理由

今後、筋繊維マーカー、筋委縮マーカーのWestern blot法による解析、組織免疫染色による解析、血中インスリンの測定を進め、論文化を進める。

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公開日: 2024-12-25  

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