肺癌の治療薬として広く使用され予後延長に寄与している上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(薬剤名:オシメルチニブ)は、一定の頻度で薬剤性間質性肺炎を発症し致死的な転機を取る。今回オシメルチニブによる薬剤性間質性肺炎の病態解明に取り組んだ。オシメルチニブをマウスに投与し、オシメルチニブによる薬剤性肺炎を起こしたところ、このマウスでは実際の患者さんと同様に肺の中にリンパ球という免疫細胞が浸潤し、マウスの細気管支から分泌するサイトカインによってそのリンパ球が誘導されていると考えられた。気道上皮によって誘導されるリンパ球がオシメルチニブによる薬剤性肺炎の病態の一部であることが明らかになった。
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