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2022 年度 実施状況報告書

真菌由来天然物を用いた非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) の新たな治療戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K20897
研究機関昭和大学

研究代表者

山口 智亮  昭和大学, 薬学部, 助教 (20966197)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード非アルコール性脂肪肝炎 / 内皮型一酸化窒素合成酵素 / HepG2細胞 / 線維化
研究実績の概要

非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) はしばしば脂質異常症や糖尿病に合併する進行性の病態であり、肝硬変に移行した場合原則として根治治療は望めない。現在のところ肝硬変や肝細胞癌への進展抑制効果を示した治療薬はなく、NASH の進行を抑制する新規薬剤の開発が求められている。近年、NASH の発症にともない肝臓内の一酸化窒素(NO)による肝保護が消失し、結果として病態が難治化することが指摘されている。これまでの検討で真菌の培養上清から soluble epoxide hydrolase の phosphatase 活性化阻害作用を持つ化合物 #27 を見出した。phosphatase 活性阻害作用により 一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化が引き起こされることが報告されており、化合物 #27 が NASH の進行を抑制することが予想される。本研究では、化合物 #27 の NASH に対する効果を検討することを目的とした。
令和 4 年度は、NASH に対する化合物 #27 の抗炎症効果について検討した。12 週齢において、NASH モデルマウスの炎症性サイトカインはピークアウトしており、通常のマウスと比較して有意な変化は認められず、#27 の抗炎症作用の評価には適さないことが判明した。8週齢において、炎症性サイトカインの変化を確認し、#27 の抗炎症作用の評価を実施中である。
in vitro 実験では、ヒト肝癌由来細胞株 HepG2細胞に遊離脂肪酸を負荷し、24時間培養したものをNAFLD/NASH モデルとして使用した。MTTアッセイにて #27 の至適濃度を決定した。Oil Red O 染色にて、遊離脂肪酸負荷による細胞内脂質蓄積の有意な上昇を認めたが、#27 処理により上昇は抑制された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

STZ および高脂肪食誘発 NASH モデルマウス 12 週齢では炎症性サイトカインの有意な増加を認めず、実験計画を変更した。
また、新生仔マウスの致死が多く、モデルマウスが十分に確保できなかったため研究がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

研究の進捗は遅れてはいるが、想定の範囲内であるので当初の計画通りに実験計画を推進する。in vivo実験では、8 週齢 STZ および高脂肪食誘発 NASH モデルマウスの肝臓組織切片の表現型を解析する。in vitro実験において、細胞生存率の上昇、脂質蓄積の減少は認められているため、オレイン酸/パルミチン酸負荷 HepG2細胞を用いて脂質代謝関連遺伝子および炎症性サイトカインの寄与について検討し、メカニズムの解明を行う。

次年度使用額が生じた理由

概ね計画通りであったが、発注から納品までの時間がかかる試薬があり、次年度繰越金がでてしまう結果となった。
繰り越された研究費は、次年度の消耗品購入費として繰り入れる予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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