クランベリーの摂取は上部尿路感染症の予防や過活動膀胱の症状緩和に効果があるが、その機序は不明である。一方近年、過活動膀胱患者の尿中細菌叢が乱れていることが明らかとなった。そこで、クランベリーの下部尿路疾患に対する作用は尿中細菌叢を変化させることによると着想し、プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を行った。尿中細菌叢の多様性および細菌の構成比率を16S rRNA遺伝子解析により算出したところ、成人女性において、クランベリージュースの摂取によって尿中細菌叢に含まれるLactobacillusが有意に減少した。本研究は尿中細菌叢をターゲットとした疾患の予防や治療法開発につながる重要な一歩となる。
|