本研究成果からB型慢性肝疾患の肝発癌においては、男性、年齢、血小板数、肝硬度といった宿主因子を主とした因子が抽出されること、既存のHBV検査項目では検知できない因子がありうることについても示唆され、その社会的意義は大きいと考えられた。 また肝発癌機序として、宿主肝細胞にHBVゲノムが組込まれることがあるが、今回の基礎的検討によって、機能的意義が不明であったKMT2B- HBV integrationによる肝発癌機構解明を進めることにより、HBV肝発癌の病態解明、及び慢性肝疾患の進展を阻止しうる個人差を踏まえた精緻医療開発へ向けた学術・技術的な基盤形成に貢献すると考えられ、学術的意義は大きい。
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