研究課題/領域番号 |
22K20967
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
尾市 健 帝京大学, 医学部, 助手 (30965760)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 成長軟骨板 / シングルセル解析 |
研究実績の概要 |
我々は先行研究でAxin2CreERT2;R26RZsGreenマウスにタモキシフェンを投与することで、軟骨成長板幹細胞が標識されること、これらの幹細胞が食事制限により分化をやめ自己複製を増強することを見いだした。食事制限により幹細胞が自己複製を増強するメカニズムの詳細を解明し、治療応用へと展開するための研究基盤を作ることを目的としている。本研究では先述のマウスを用いて幹細胞を標識し通常の食事を与えた群および食事制限をもうけた群の軟骨成長板から軟骨細胞を単離し、シングルセルRNA解析を行う。長管骨骨幹端部および骨端部から蛋白分解酵素を用いて細胞を単離する方法を確立した。この方法で十分な数および高い生存率を有する細胞が単離できることがFACS解析により明らかになったため、通常の食事を与えた群、食事制限をもうけた群それぞれのサンプルをn=1ずつシングルセル解析に外注した。 RのSeuratを用いて解析したところ、この方法で単離した細胞は成長軟骨板細胞、関節軟骨および軟骨膜細胞等、複数の細胞種が存在していることが明らかとなった。成長軟骨板、とくに各層で栄養がどのような影響を与えるかの詳細を調べるために現在成長軟骨板細胞、関節軟骨細胞、軟骨膜細胞を識別できる候補マーカー遺伝子を選別した。 また、シングルセル解析に並行してレーザーマイクロダイセクションを用いてRNA-seqを行い、IGF1シグナルを介して栄養状態が幹細胞の挙動を制御していることを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新しい職場での研究環境の構築に時間を要した。また、バイオインフォマティクスの技術を習得するにち時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
シングルセル解析で見られた関節軟骨、成長軟骨板細胞、軟骨膜細胞などを識別できるマーカー遺伝子の局在をRNAscopeを用いたin situ hybridizationで妥当性を評価する予定である。今後は、各層のクラスターで、食事制限群、コントロール群でどのような変化が起きているか詳細を調査予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
シングルセル解析で選別したマーカー遺伝子の局在を調べるためのin situ hybridizationの検査費用として使用する予定である、。
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