黄斑円孔は網膜中心部が障害され視力低下をきたす疾患であり、手術によって治療困難な症例が問題となっている。今回我々は神戸理化学研究所と共同研究で、ニホンザルの黄斑円孔モデルに対し、ヒトES細胞由来の網膜組織を移植し、移植後の網膜組織を電子顕微鏡で撮影した。撮影画像を解析したところ、黄斑円孔は閉鎖し、ホスト由来と思われる視細胞がロゼットを形成している像を取得することができた。これらのことから黄斑円孔への網膜組織移植が黄斑円孔の閉鎖に寄与し、網膜に生着することができることを示唆する結果を得ることができた。今後は得られた結果を含む論文を海外学術誌に投稿予定である。
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