研究実績の概要 |
ヒトiPS細胞株3種(414C2, HPS1042, 771-3G, CiRA HLAホモドナー株)を、Primitive streak誘導培地にて1日処理後、側板中胚葉誘導培地にて1日処理する。この後、CHIR(GSK3b inhibitor)、A83-01(ALK5 inhibitor)、FGF2にて処理することで、肢芽間葉系細胞(ヒト軟骨前駆細胞)へ誘導した。5-6継代培養し、細胞をストックした。この軟骨前駆細胞から作られた軟骨組織体は自由な形に形成可能である。軟骨組織体を人工骨(βTCP)に生着させ、一面が軟骨組織、他面が骨組織で構成されたハイブリッドマテリアルを作製した。従来の研究技術としてヒト多能性幹細胞から硝子軟骨組織を作り出す技術が報告されているが、中間段階の軟骨前駆細胞が規定されておらず、組織形状の均一化された軟骨再生材料の大量生産には不向きである。本研究で用いる細胞源は、中間段階のヒト軟骨前駆細胞の段階で、品質管理が可能で大量生産性/安定性に優れている。したがって、大きな骨軟骨欠損に対するハイブリッドマテリアルの素材として期待でき、新規関節再建の治療に結びつけば、再生医療の進歩に貢献できる。
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