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2023 年度 実施状況報告書

全エクソーム解析およびシングルセル解析による歯根短小症の発症要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20987
研究機関東京大学

研究代表者

池田 夕季 (佐川夕季)  東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (00964777)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワード歯根形成 / 歯学 / ゲノム / 歯根吸収 / 歯根短小 / エクソーム解析 / 遺伝子解析
研究実績の概要

歯根短小症(Short root anomaly: SRA)は、歯根長が歯冠長に対して相対的に短くなる歯の形態異常である。発症には、遺伝要因と環境要因の関与が示唆されているが、詳細なメカニズムについては不明な点が多い。SRAは、矯正歯科治療における歯根吸収のリスクファクターの一つとなり、治療後の歯列・咬合の安定性にも影響を及ぼす可能性がある。よって、SRA発症要因を解明し予防法を確立することは矯正歯科臨床における喫緊の課題である。そこで本研究は、SRA発症に関わる遺伝要因とその発症メカニズムの検討を行うために、SRA発症者のエクソーム解析および疾患組織の細胞を用いたシングルセルRNAseq(トランスクリプトーム)解析により、SRA発症に関わる因子ならびに病態メカニズム解明を行うことを目的とした。本研究の発展によって、SRA発症の予防法や治療法確立につながることが期待される。以下に研究実績を示す。
2015年から2018年までに当科を受診した433名において、初診時のパノラマX線写真より歯根歯冠比の測定を行った。その基準をもとに、極端な表現型と診断された17症例の唾液から抽出したDNAについて、エクソーム解析を行った。その結果、5症例においてSRA発症に関連する候補遺伝子におけるミスセンス変異を見出した。この変異はin silico予測ツールにおいて病的と予測された。また、併行してSRAの発症症例の歯根膜細胞や歯髄細胞の採取を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

全エクソーム解析を行い、候補遺伝子を絞り込む過程で時間を要したこと、また、研究代表者の所属研究室異動に伴い研究環境の変化が生じたことで、当初の計画から変更点が生じたため。

今後の研究の推進方策

現在おこなっているデータの解析を進めながら、SRA発症患者の臨床情報、遺伝情報のデータベースを作成するとともに、発症に関わる遺伝子および1細胞ごとの遺伝子発現量、細胞間相互作用の情報から病態や発症メカニズム解明を行っていく。また、SRA発症患者のエクソーム解析を行った結果をまとめ、論文執筆を進める。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画より解析に時間を要したことおよび研究代表者の所属研究室異動に伴い、研究環境の変化が生じたことで、当初の計画から変更が生じた。次年度には、今までの研究成果をまとめるにあたり、データを解析するための物品費用、消耗品費および論文執筆や学会発表に関わる費用が必要となる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Exome analysis of short root anomaly in Japanese population2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Sagawa;Takuya Ogawa;Takeaki Sudo;Yuki Nagata;Keiji Moriyama;Toshihiro Tanaka
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第68回大会 Human Genetics Asia 2023 合同開催 第14回アジアパシフィック人類遺伝学会 (APCHG) 第22回東アジア人類遺伝学会連合(EAUHGS)
    • 国際学会
  • [学会発表] マルファン症候群患者における顎顔面形態についての検討2023

    • 著者名/発表者名
      松林 幸枝, 大久保 和美, 丸岡 亮, 内野 夏子, 佐川 夕季, 岡安 麻里, 宇賀 凜, 峯岸 至保, 西條 英人, 星 和人
    • 学会等名
      第82回日本矯正歯科学会学術大会
  • [学会発表] 非外科的矯正治療により咬合の改善を行った片側性鋏状咬合を伴う骨格性上顎前突症例2023

    • 著者名/発表者名
      大森 雄一朗 , 小笠原 毅 , 別府 葵 , 山原 大吾 , 佐川 夕季 , 森山 啓司
    • 学会等名
      第82回日本矯正歯科学会学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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