我々はまず、ヒト歯根膜細胞株(2-52)にMEST遺伝子を導入し誘導したヒト歯根膜幹細胞様細胞のcDNAを用いて網羅的遺伝子解析を行い、MESTの発現上昇に伴い、Cadherin-2(CDH2)の発現が上昇することを明らかにした。そこで我々は、CDH2の発現を誘導することが知られているBMP4に着目し、次に、BMP4タンパクを添加した培地にて2-52を培養することで歯根膜幹細胞への転換を試みた。その結果、BMP4により、2-52における幹細胞マーカー発現が上昇し、さらに骨芽細胞および脂肪細胞への分化能を示した。以上より、BMP4がヒト歯根膜細胞における幹細胞転換を誘導する可能性が示唆された。
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