世界において毎年数十万人以上が頭頸部腫瘍と新たに診断され、その多くが化学療法、放射線療法、外科的手術を組み合わせた治療を受ける。しかしながら、放射線照射の副作用として、口腔乾燥症が認められ、患者のQOLを低下させる原因の1つとなっている。本研究では、放射線照射に伴って正常組織に生じる変化を明らかにすることで、新規の放射線防護法や再生療法の研究基盤を提供することを目的とした。本研究により、放射線照射直後は機能的な変化および代謝障害を主な標的とした防護法となりうる可能性を示した。また、長期経過後には、生存している腺房細胞の賦活化により、分泌機能の回復および組織再生が誘導できる可能性が示唆された。
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