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2023 年度 実施状況報告書

オプトジェネティクスを用いた咀嚼ー唾液分泌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K21047
研究機関昭和大学

研究代表者

梶原 里紗  昭和大学, 歯学部, 助教 (40963103)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワードPhox2b / パッチクランプ / 唾液分泌 / オプトジェネティクス
研究実績の概要

唾液分泌量の低下は、咀嚼、嚥下、発音、味覚に影響を及ぼし、栄養摂取の減少や誤嚥性肺炎のリスクが高まる。唾液分泌は咀嚼時に最も活発となるため、この機構を賦活化すれば、唾液分泌の低下を改善できる可能性がある。しかし、咀嚼との関連も含めて唾液分泌の中枢神経メカニズムは良く分かっていない。申請者は、自律神経中枢の発生に関与する転写因子のPhox2bを発現するニューロンが上下唾液核周辺に多数存在し、これらのニューロンの存在部位を刺激すると、顎下腺を支配する上唾液核ニューロンが興奮することを発見した。そこで本研究では、Phox2b陽性ニューロンに着目し、パッチクランプ法やオプトジェネティクスを用いて上唾液核を興奮させるPhox2b陽性ニューロンを同定し、咀嚼に伴う唾液分泌の神経メカニズムの解明を行った。
上唾液核ニューロンへのパッチクランプは可能であり、小細胞性網様体に存在するPhox2b陽性ニューロンをオプトジェネティクス法で刺激すると反応があることは改めて確認できた。そこで、上唾液核ニューロンへ直接刺激を行っている、小細胞性網様体のPhox2b陽性ニューロンにもパッチクランプを行おうと試みたが、オプトジェネティクス法後の小細胞性網様体のPhox2b陽性ニューロンへの長時間のパッチクランプが困難であり、個別の神経機構を解析するのが困難であった。また、自由行動下のラットで、唾液腺にカテーテルを挿入し、小細胞性網様体のPhox2b陽性ニューロンをオプトジェネティクス法で刺激し、唾液量を測定する予定であったが、自由行動下だとラットの体動があり、唾液腺へのカテーテル挿入が困難であった。さらに、麻酔下で同様の実験を試みたが、麻酔によって自律神経の機能が抑制され、唾液分泌も抑制されてしまった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

オプトジェネティクス法で刺激した後の小細胞性網様体Phox2b陽性ニューロンの状態を長時間維持するのが困難であり、局所的に神経回路を形成するPhox2b陽性ニューロンの探索が困難であった。
自由行動下での動物の唾液腺に、カテーテル挿入を行うのが困難であった。麻酔下での動物では、自律神経系が抑制され唾液分泌も抑制されるため、カテーテル挿入ができても唾液分泌の促進を促すことができなかったため。

今後の研究の推進方策

オプトジェネティクス法で使用するLED光の刺激強度が強く、小細胞性網様体Phox2b陽性ニューロンの状態が悪くなっている可能性が考えられる。LED光の強度を、反応がある限界まで弱くするなど調整する。
唾液腺へのカテーテル挿入は可能であっため、麻酔下でカテーテルを挿入した後、強固に固定して麻酔がきれるのを待ち、自由行動下にするかなど研究手技の再考を行う。

次年度使用額が生じた理由

ソフトウェアの更新費が予算よりも低額であったため、残額を次年度の物品費購入にあてる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 眼筋型重症筋無力症を有する歯科恐怖症患者への全身麻酔下での多数歯齲蝕治療の1例2024

    • 著者名/発表者名
      森美奈 , 菊池真理子 , 梶原里紗 , 角南葵 , 山田貴穂 , 山田樹里 , 江並沙羅 , 松井庄平 , 松浦光洋 , マイヤース三恵
    • 学会等名
      第33回 日本有病者歯科医療学会総会・学術大会
  • [学会発表] 高濃度酸素投与下に施行せざるを得なかった気管切開術7小児症例における術前シミュレーションの重要性2023

    • 著者名/発表者名
      梶原里紗 、伊藤紘子、北村英恵、西部伸一
    • 学会等名
      第33回 多摩麻酔懇話会
  • [学会発表] 著しい下顎骨劣成長と開口障害患者に対する2回の全身麻酔経験2023

    • 著者名/発表者名
      菊地大輔、梶原里紗、渥美広子、大塩葵、西原理恵、松野栄莉佳、西村晶子、飯島毅彦
    • 学会等名
      第51回 日本歯科麻酔学会

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公開日: 2024-12-25  

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