本研究では、OSCC手術検体からCAFの初代培養法を確立し、複数のOSCC-CAFを樹立した。RNAシークエンス解析によりOSCC-CAFマイクロRNA発現プロファイルを作成し、OSCC、OSCC-CAF、正常線維芽細胞の比較から、OSCC-CAFに特異的な発現を示すマイクロRNAを明らかにした。さらに、その機能解析とOSCC細胞の悪性化獲得に関与する分子ネットワークの探索を目的とした。OSCC手術検体から初代培養を行い、蛍光免疫染色法にてαSMA、FAP、vimentinを用いて解析し、単離した細胞は線維芽細胞(コントロール)・CAFであることを確認した。それぞれの細胞(線維芽細胞・CAF)から、total RNAを抽出しRNAシークエンス解析を行った。RNAシークエンス解析結果から、マイクロRNA137とマイクロRNA181に着目し、OSCC細胞株(Sa3、SAS)に対し核酸導入を行い、機能解析(増殖能、遊走能、浸潤能)を行った。機能解析の結果より、マイクロRNA181はOSCCの悪性化獲得へ関与している可能性が示唆された。
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