今後の研究の推進方策 |
1.ヒト線維芽細胞の採取と唾液腺細胞の誘導 当研究室では、胎生期マウス線維芽細胞から転写因子の導入により唾液腺細胞の誘導 を可能にしたとの報告を行った(Katada R et al. BBRC 2021)。本研究では、抜歯した智歯に付着している歯肉組織から線維芽細胞を採取し、 その線維芽細胞をexplant cultureにより培養する(Regenerative Therapy,2019)。当研究室において確立したダイレクトリプログラミング技術 を用いて線維芽細胞に転写因子を導入することにより唾液腺細胞を誘導する。 2. 唾液腺細胞シートの作製 これまでの報告で、口腔粘膜上皮細胞を温度応答性培養皿上で培養し、シート状に剥離し角膜移植に応用したとの報告がなされている(Nishida K et al. N Engl J Med,2004)。研究代表者らは細胞シートの作製を西田らの報告した手法で行う。具体的には、線維芽細胞から誘導した唾液腺細胞を、ディスパーゼ処理により分散化した後、温度応答性培養皿へ播種し唾液腺細胞シートを形成する。
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