• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

免疫チェックポイント分子 (CTLA-4) の作用から探る新規歯周治療の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K21071
研究機関東京歯科大学

研究代表者

小谷地 咲  東京歯科大学, 歯学部, レジデント (90962134)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワードCTLA-4 / 歯槽骨吸収 / 破骨細胞分化 / 歯周炎
研究実績の概要

歯周病は多因子性疾患であることから,病態の理解や根治的な治療法の確立は困難を極めている。
我々は,歯周病の病態解明と新規治療法の開発のため,免疫チェックポイント機構と歯周病の関連について検討を行ってきた。その成果として,免疫チェックポイント分子の一つである細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4 (CTLA-4) が破骨細胞分化を抑制し,歯周炎マウスモデルにおける歯槽骨吸収量を減少させることを明らかにした。しかし,そのメカニズムについては未だ不明な点が多い。
そこで本研究は,CTLA-4の詳細な破骨細胞分化調節メカニズムの検討と,局所応用を行った際の歯周組織破壊への影響の評価を行い,新規歯周治療の開発の足掛かりとすることを目的とした。
2022年度は,CD80/86-/-マウスにおいてCTLA-4が歯槽骨吸収に及ぼす影響を評価するため,まずは野生型を用いて絹糸結紮歯周炎マウスモデルの確立を行った。また、in vitroではPP2A発現抑制下での,CTLA-4の破骨細胞分化への影響を評価した。siRNAを用いてPP2A発現を抑制したRAW 264.7細胞に,RANKLとCTLA-4-Igを添加した。添加後48時間,96時間で,qRT-PCRにて破骨細胞分化マーカー (Macrophage-colony stimulating factor, Carbonic anhydrase II, Cathepsin K, Tartrate-resistant acid phosphatase) 発現を評価した。siRNA 導入は細胞生存率に有意な影響を与えないことを確認した。PP2A siRNA 群では,CTLA-4-Ig 添加によるCathepsin K, Trap の発現抑制は確認されなかった。これより,PP2A 発現の調節は,CTLA-4-Ig による破骨細胞分化抑制メカニズムの一つであることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

siRNA導入やqRT-PCRの手技取得に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

siRNAを用いてPP2A発現を抑制したRAW 264.7細胞にRANKLとCTLA-4-Igを添加し,添加後5日目でTRAP染色にて破骨細胞様細胞数を,6日目でPit assayにて破骨細胞活性化の評価を行う。CD80/86-/-マウスにCTLA-4を腹腔内投与しmicro-CTにより歯槽骨吸収量の評価を行う。その後,組織切片を作製しH-E染色により歯槽骨吸収量や歯周組織の状態を評価,TRAP染色により破骨細胞様細胞数の計測を行う。腹腔内投与による他の骨格への影響を観察するために大腿骨遠心部の骨量,骨密度をmicro-CTで解析する。また,CTLA-4局所投与の影響を評価するため,上顎右側臼歯部口蓋側歯肉へのCTLA-4-Ig投与を行う。全身投与時との歯槽骨吸収量,破骨細胞様細胞数の違いをmicro-CT, H-E染色,TRAP染色により評価する。局所投与による他の骨格への影響を観察するために大腿骨遠心部の骨量,骨密度をmicro-CTで解析する。

次年度使用額が生じた理由

3月納品の物品が4月会計であったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The potential mechanism of CTLA-4-Ig-mediated osteoclast differentiation2022

    • 著者名/発表者名
      Saki Nakane-Koyachi, Kentaro Imamura, Tasuku Murakami, Rio Hisanaga, Kazuyuki Ishihara, Atsushi Saito
    • 学会等名
      第108回アメリカ歯周病学会共催日本臨床歯周病学会・日本歯周病学会2022大会
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi