高齢者の日常生活機能低下にはどのようなパターンがあるのか特定し、そのパターンと関連する要因を解明することを目的とした。日本老年学的評価研究の縦断データにより、死亡前の日常生活機能の低下パターンは、機能障害を受けている期間が短い順に、最小障害パターン(46.3%)、障害急加速パターン(19.2%)、中程度障害加速パターン(12.4%)、中程度障害持続パターン(12.6%)、重度障害持続パターン(9.4%)の5つが抽出された。さらに社会参加している人は、社会的背景を統計学的に調整した上で最小障害パターンに所属しやすいことがわかった。社会参加を促進する政策が健康寿命の延伸に寄与することが示唆された。
|