研究実績の概要 |
本研究は、安全で正確なロボット手術の普及を目的として、手術環境の効率化、快適性向上を目指し、XR技術とメタバース空間を利用して手技の空間動作を追体験できるマルチモーダル画像支援3D内視鏡手術トレーニングシステムを開発した。これは、過去の立体手術映像と患者のCT画像から抽出した3Dポリゴンデータを重ねて手術手技・手順を確認できる教育コンテンツであり、患者の臓器解剖を理解しながら、鉗子の動きを追体験することができる。これにより、医療従事者の空間認識の向上と、他のロボット手術や内視鏡手術における誤認識の回避に貢献する可能性が示唆された。この成果を、4つの海外学会(iSMIT, UEGW, ELSA, EAES), 3つの国内学会(ITヘルスケア学会、日本コンピュータ外科学会、日本内視鏡外科学会)および6つの論文を学術誌にて発表した。そのうち、UEGW(欧州消化器病週間国際会議)にて学会賞(Travel grant award)を受賞した。 しかし、遠隔からの複数人同時学習機能の実装および検証には予想以上の時間がかかり、手術環境の効率化や快適性向上を証明できる成果が得られず、本来2年間で終了予定の本研究は、次年度への延長が決まった。安全で正確なロボット手術の普及に向け、最新のソフトウェア・ハードウェアのアップデート情報や最新デバイスのUI・UXを本研究に導入し、複数人での接続検証に向け有効性を評価し、その成果を論文や学会発表で報告する予定である。
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