福島県双葉町は、福島第一原発事故によって公的に町民を福島県外へ避難させた唯一の町であり、他の町に比べ県外への避難者が多い。 2022年6月に、双葉町町民を対象にアンケート調査を行った。回答した404名のうち、県内避難者は274人、県外避難者は130人であった。県内外の避難者間で帰還企図、処理水の放出や水道水に対する不安、町の整備等への期待している町民の頻度に有意差は認められなかった。一方、県内避難者は、放射線の相談窓口を知っている人が多かったのに対し、県外避難者は、町に住むことによる健康影響への懸念や放射線が次世代に影響を与える可能性についての懸念を抱く割合が高かった。
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