本研究の目的は、地域高齢者の日常の発声の実態を明らかにし、日常の発声と、オーラルフレイルの指標となる口腔機能、および嚥下機能、発声機能との関連について検討することである。 対象者は、通所事業所に通う要介護3以下の高齢者60名とした。対象者60名の平均年齢は83.9歳、男性19名、女性41名だった。日常の発声の機会は、「人との会話」「人以外への話しかけ」「1人での発声」に大別し調査した。対象者の98.3%が、同居家族の有無にかかわらず、毎日発声の機会をもっていた。統計解析では、毎日「人以外への話しかけ」を行う者は滑舌が良く、オーラルフレイルとの関連が示唆された。
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