研究実績の概要 |
本研究では、妊娠期からの追跡調査により、妊娠中の母親の栄養摂取状況及び尿中バイオマーカーが将来的な母子の骨密度に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。対象者は、環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の大阪ユニットセンターに登録されている母子のうち、学童期検査(小学2年)に参加した子どもとその母親である。本研究期間中には、①本研究の実施にかかる体制を整え、各種データの整理や結合作業を含む大規模なデータクリーニングを行い、本研究の遂行に必要な解析データベースを構築すること、②構築した解析用データベースを用い、妊娠中の母親の栄養摂取状況及び尿中バイオマーカーと子ども及びその母親の骨密度との関連を横断並びに縦断的に分析することの2点を実施する。 本年度は、本研究の実施に向けて、研究環境及び研究体制を整え、本研究用の8歳児及びその母親の身体計測、骨密度検査、質問票調査に関するデータベース構築を進めた。8歳児及びその母親の骨密度に関する指標は、定量的超音波測定法装置(A-1000 EXP Ⅱ(GE Healthcare Japan Co., Ltd, Tokyo,Japan))にて、超音波伝番速度(Sound Of Speed, SOS)及び超音波減衰定数(Broadband Ultrasound Attenuation, BUA)を測定し、スティフネス値(Stiffness Index, SI)を算出した。子どもの骨密度に関する指標(平均±標準偏差)は、SI=75.7±10.4、SOS=1563.0±21.2、BUA=87.3±11.6であった(N=2740)。母親の骨密度に関する指標(平均±標準偏差)は、SI=88.7±13.1、SOS=1553.0±29.3、BUA=111.0±11.3であった(N=2642)。
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