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2022 年度 実施状況報告書

Liquid biopsyによる双極性障害の自殺予防および診断バイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K21150
研究機関大阪公立大学

研究代表者

影山 祐紀  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90964891)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード双極性障害 / バイオマーカー / エクソソーム / リキッドバイオプシー
研究実績の概要

本研究では、同一双極性障害患者のうつ状態期(n=30)、寛解期(n=30)、健常者(n=30)の血漿を用いて血中脳由来エクソソーム内のトランスクリプトーム解析を行う。うつ状態期と寛解期の比較を行い、有意に発現レベルの変動が見られた転写因子に着目し、双極性障害の抑うつ状態と希死念慮を反映する転写因子の分子生物学的な機構をPathway analysisおよびgene ontology analysisにより探索する。
現在、双極性障害のうつ状態と寛解状態の血液サンプルを同一患者で30対収集する予定のうち、27対が収集済みであり、予定数の達成は十分見込める状態になってきている。
予備実験として、研究実施者が保有するうつ病40名、双極性障害15名、健常者15名の血中脳由来エクソソームトランスクリプトームデータセットのEnrichr解析を行った。既存の脳由来RNAseqデータベースと比較を行なったところ、fetal brain cortex, midbrain, prefrontal cortex, およびneural epitheriumの領域で有意に相関する結果が得られた。また、multiple testingの補正後でも、fetal brain cortexとmidbrainの領域で有意な相関を認めた。また、リアクトームパスウェイ解析においても脳の情報を保有していることが分かった。これらのことから、血液から脳の情報を得るというProof-of-Conceptが立証された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

双極性障害のうつ状態と寛解状態の血液サンプルを同一患者で30対収集する予定のうち、現在27対が収集済みであり、予定数の達成は十分見込める状態になってきている。
予備実験において、血液中神経神経由来エクソソームのRNAseqデータのEnrichr解析を行い、既存の脳由来RNAseqデータベースと比較して有意に相関する結果が得られ、血液から脳の情報を得るというProof-of-Conceptが立証された。

今後の研究の推進方策

残り3対の双極性障害のうつ状態と寛解状態の血液サンプルを収集し、ライブラリの作成を申請者が行い、理研ジェネシス社にRNAseqの依頼を行い、申請者がデータ解析を行う。
うつ状態期と寛解期の比較し、有意に発現レベルの変動が見られた転写因子に着目し、双極性障害の抑うつ状態と希死念慮を反映する転写因子の分子生物学的な機構Pathway analysisおよびgene ontology analysisにより探索する。
また、Spearmanの順位相関係数を用いて抑うつ状態および希死念慮と有意な相関を持つ転写因子を特定する。双極性障害寛解期と健常者のトランスクリプトームデータを用いて両者を区別するアルゴリズムを機械学習により作成する。

次年度使用額が生じた理由

RNAseq外注を行う予定であったがまだサンプル数が予定数に到達していないため延期した。
次年度使用額はRNAseq外注に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Mitochondrial Gene Abnormality Complicated by Perinatal-onset Depression: A Case Report2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Kageyama, Ayaka Sukigara, Yuki Uesaka, Yasuhiko Deguchi, Koki Inoue
    • 雑誌名

      The Primary Care Companion for CNS Disorders

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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