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2022 年度 実施状況報告書

魚類のサルモネラ汚染状況調査ならびに遺伝学的手法を用いた汚染原因の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K21162
研究機関北海道立衛生研究所

研究代表者

落合 崇浩  北海道立衛生研究所, その他部局等, 研究職員 (00945082)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワードサルモネラ / 魚類 / ウナギ / 食品微生物 / 食品衛生 / 食中毒
研究実績の概要

本研究はサルモネラの魚類に対する付着機構や汚染原因の解明を目的とする。2022年度は魚類およびその生育環境からのサルモネラ分離試験を行った。日本国内で購入または捕獲した天然魚133個体(12魚種)、購入または収去した養殖魚36個体(3魚種)、計169個体(13魚種)の内臓(うち1個体はカマ部分のみ)を検査対象とした。捕獲した魚類は形態的特徴に基づいて種を同定し、購入した魚類は食品表示等に従って魚種を判定した。ワカサギやヤマメなど体サイズの小さい魚種や内臓のみを入手した場合は、複数検体をプールして試験を実施した。また、活魚購入時の輸送水1検体、河川の周辺環境から得られた魚類の餌となり得る昆虫16個体に対しても同様の分離試験を行った。分離試験において得られたサルモネラの血清型を判定し、菌株保存およびキットによるDNA抽出を行った。
天然魚、養殖ニジマス、および養殖ヤマメからサルモネラが分離されなかった。一方、養殖ニホンウナギからサルモネラが分離され、Saintpaul、Litchfield、およびInfantisの3種類の血清型が得られた。また、活魚輸送水からも血清型Litchfieldが分離された。昆虫からサルモネラが分離されなかった。
過去に血清型SaintpaulやLitchfieldを養殖ウナギ等の淡水魚から分離したとの複数の報告がなされている。これらは本研究結果と一致することから、魚類(特にウナギ)に特異的な血清型のサルモネラの存在が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

購入した養殖魚から3種類の血清型のサルモネラを分離することができた。得られた菌株からDNAを抽出し保管しているので2023年度にゲノム解析を実施する。

今後の研究の推進方策

今後、サルモネラ分離試験により得られた菌株および当所保管株から抽出したDNAを用いてゲノム解析を実施し、菌株間の関連性を遺伝子比較により明らかにしていく。加えて、魚類とその生育環境からのサルモネラ分離試験を継続して行うことにより本菌の季節消長の可能性を検討していくとともに、過去に報告のない魚種の汚染状況を調査する。

次年度使用額が生じた理由

交付内定後すぐには魚類からのサルモネラが得られなかった。そのため、使用期限の限られたゲノム解析用試薬などを購入するタイミングが合わなかった。また、秋冬期には野外調査を満足に行うことができなかったため、次年度使用額が発生した。
次年度使用額は、2023年度に野外調査のための旅費、ゲノム解析用の試薬購入のための物品費などで使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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