高齢者は多病により多くの薬を併用(多剤併用)し、加齢に伴う心身機能の低下から要介護の前段階であるフレイルになりやすい。本研究は東京都板橋区在住高齢者を対象に多剤併用とフレイルの関係を薬の数と種類の点から横断研究で検証した。5種類以上の多剤併用者は非多剤併用者に比べ、フレイルとその構成要素である体重減少、低筋力、低歩行速度のリスクが高く、女性高齢者の分析では、高齢者に慎重投与が必要な薬の数が多いほどフレイルや体重減少のリスクが高いことが示唆された。以上より、薬の併用数や種類の適切な薬物管理が高齢者の健康維持に重要であることが示唆される。
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