「熱布温罨法の足部関節に及ぼす効果が高齢者の転倒予防につながるのか」の事前検証では、考案した熱布温罨法を若年健常者に実施し、足浴と同様の温熱効果が得られ安全に実施できる方法であることを明らかにした。次に高齢者に対し、熱布温罨法と臥床の交互試験を実施した。結果、熱布温罨法で深部温度と足関節の柔軟性(足関節の背屈角度)、立位バランス(開眼片足立ち時間)が有意に向上した。姿勢保持力(足趾把持力)の平均値は向上したが有意差は得られなかった。温熱効果により足関節の柔軟性が高まり、足趾力が発揮されることで立位バランスが改善したことが考えられた。これらの結果は転倒リスクありの対象により効果が得られていた。
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