研究課題/領域番号 |
22K21187
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
間中 麻衣子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 講師 (10964299)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | コロナ禍 / 妊婦 / 抑うつ / 関連要因 / アプリケーション |
研究実績の概要 |
第一段階では、以下を研究実績として公表した。 【背景】コロナ禍では妊婦の抑うつが増強しており、妊婦へのメンタルヘルス支援が重要である。コロナ禍の妊婦の抑うつに関連する要因を文献研究した結果、妊婦の抑うつの保護的要因はリスク要因に比べて報告数が少なく、日本人妊婦に関する保護的要因については報告がみあたらなかった。そこで本研究では、COVID-19流行下において日本人妊婦抑うつに関連する要因をリスク要因と保護的要因の両側面から検討することとした。 【目的】本研究は、コロナ禍における日本人妊婦の抑うつに関連する要因を明らかにすることを目的とした。【研究方法】対象者は、大阪市内の総合病院2施設の産科外来の妊婦健康診査に来院した日本人妊婦157名を対象に、オンラインを用いた無記名自記式質問紙調査を行った。データ収集は、対象の属性、コロナ禍における妊婦の対処方法に加え、妊婦の抑うつをPatient Health Questionnaire-9日本語版 (PHQ-9) で測定した。PHQ-9は作成者の許諾を得て使用した。妊婦の属性、抑うつ症状を有する妊婦の割合は記述統計を行った。抑うつ症状の有無と対象の属性および対処方法との比較は、多重ロジスティック回帰分析を行った。統計ソフトはIBM SPSS Statistics 27を用い有意水準は5%とした。【結果】コロナ禍における日本人妊婦の抑うつに関連する要因は、リスク要因では「精神疾患の既往」、保護的要因では「自宅以外での運動」であった。「自宅以外での運動」を心がけている妊婦が抑うつ症状を有するオッズ比は,0.354(95%信頼区間:0.183-0.687)であった。
第二段階では、第一段階の結果を踏まえた、妊婦のメンタルヘルス向上を目指したオンラインアプリケーションを開発し、医療専門職者の意見を得てアプリを修正中である。第三段階では、オンラインアプリの効果の検証のため、倫理審査委員会に申請中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第一段階では、総合病院2施設の産科外来の妊婦健康診査に受診した妊婦を対象に調査を行っているが、2施設目の研究倫理委員会の承認を得られるのが予定より遅れた。それに伴い、第二段階は、第一段階の結果を踏まえた、妊婦のメンタルヘルス向上を目指したオンラインアプリケーションの開発が目的であったため、予定より遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
第二段階では、第一段階の結果を踏まえた、妊婦のメンタルヘルス向上を目指したオンラインアプリケーションを開発し、医療専門職者の意見を得てアプリを修正したため、論文化を目指す。
第三段階では、オンラインアプリの効果の検証のため、倫理審査委員会に申請中であることから、倫理審査の承認がおり次第、妊婦を対象とした研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
第二段階として、オンラインアプリケーションの開発を行ったため、資金を使用した。 次年度にオンラインアプリケーションの修正を予定しており、資金使用予定である。また、次年度、妊婦を対象としたアプリケーションの効果検証を予定しており、謝礼などに資金を使用予定である。
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