研究課題/領域番号 |
22K21189
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
稲本 尊 関西医療大学, 保健医療学部, 助教 (70962835)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 運動イメージ / 脳波 / EEG / mu リズム |
研究実績の概要 |
本研究は,脳波の運動関連成分 muリズムを指標として,高齢者の運動イメージ中の脳活動の特徴を明らかにすることである.muリズムは安静時に頭頂葉付近に微弱な活動をしており,運動遂行により活動が抑制される成分であり,運動課題中の脳活動の指標として広く用いられている. 課題は,静かで隔離された部屋で背もたれ付きの椅子に座り,運動実行条件,筋感覚的イメージ条件,視覚的イメージ条件の3条件間の課題遂行中の脳波を測定した.脳波計測は18チャネルの脳波計を用いた.また課題遂行中は筋電図測定を行い,イメージ課題中に筋活動が発生していないかをモニタリングした.脳波測定前に,Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire(KVIQ)を用いて運動イメージ能力の測定も行った. データ解析は,刺激前後をエポックとして抽出し,安静期間中をベースラインとし,課題遂行中の脳波活動の変化について,アーチファクト除去後のデータを用いて時間周波数解析にて算出した.結果,左頭頂葉付近の電極を中心に課題遂行期間中10Hz前後の周波数帯域の脳波活動(muリズム)の抑制が確認された。 運動イメージ課題にてmuリズムの活動抑制が示された被検者は,運動イメージ能力の点数が高い傾向が示された.先行研究と異なり多関節運動を用いた運動イメージ課題は,広範な脳活動を必要とする課題となるため、運動イメージ能力との相関が出現する可能性を示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染拡大の影響があり,高齢者群を募集し,脳波データ測定を行うことが困難であった.今後は,高齢者群のデータ測定を行い,加齢的変化を調査する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
今年度,新型コロナウイルスが感染拡大の影響がある中,研究協力機関と連携し,若年群のデータを収集することができた.次年度は,引き続き若年群のデータ収集を行う.また高齢者群の募集,脳波測定が行えるよう研究機関と協力しながら環境を整え,計画的に研究課題に取り組んでいきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費,謝礼の出費をすることなく研究が遂行できた.来年度もデータ測定を予定していることから,謝礼の発生および学会発表等の旅費の発生が見込まれる.
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