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2022 年度 実施状況報告書

食事性亜硝酸塩によるHFpEF発症の予防効果とメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K21220
研究機関金城学院大学

研究代表者

河野 有華  金城学院大学, 生活環境学部, 助教 (20962525)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード駆出率の保たれた心不全 / 食事療法 / 亜硝酸塩 / 一酸化窒素 / 炎症 / 酸化ストレス
研究実績の概要

駆出率の保たれた心不全(HFpEF)は、駆出率が低下した心不全よりも入院リスクや致死率が高いにも関わらず、食事療法や予後を改善する薬物療法は確立されていない。HFpEFの発症には生体内の一酸化窒素(NO)の減少が深く関わっており、2019年に生体内のNO合成を阻害する薬剤(L-NAME)と高脂肪食を与えることで人のHFpEFを再現する新たなマウスモデルが報告された。一方で、野菜などに多く含まれる硝酸塩/亜硝酸塩は生体内でNOを産生し、炎症や酸化ストレスの増大を抑制することが分かっている。本研究は、L-NAMEと高脂肪食を与えたラットに対して亜硝酸塩を供給することでNOの減少を改善し、炎症や酸化ストレスの増大、心臓の線維化を抑制することを明らかにする目的で研究を遂行している。
本実験では、Wistarラットを用いて①通常食、②L-NAME+高脂肪食、③L-NAME+高脂肪食+食事量の亜硝酸塩、④L-NAME+高脂肪食+薬剤量の亜硝酸塩の4群に分けて8週間飼育した。その後、血圧の測定、心臓組織および血液の採取を行った。採取した心臓組織は、病理標本を作製してシリウスレッド染色で線維化の評価を行った。
8週間飼育した時点での生存率は、L-NAME+高脂肪食群で40%であったのに対して食事量の亜硝酸塩群で10%、薬剤量の亜硝酸塩群で30%であり、亜硝酸塩の摂取は生存率を改善しなかった。しかし、亜硝酸塩の摂取は、食事量でも薬剤量でもL-NAME+高脂肪食群に比べ心臓の線維化面積を有意に減少させた。
今後は、血中の亜硝酸塩濃度の測定、炎症と酸化ストレスの評価を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

亜硝酸塩の摂取は、L-NAME+高脂肪食群と比較して生存率に影響を与えなかったが、心臓の線維化を抑制する傾向がみられた。

今後の研究の推進方策

亜硝酸塩の摂取は、L-NAME+高脂肪食群と比較して生存率に差がみられなかったが心臓の線維化を抑制したことから、今後は予定通り血中の亜硝酸塩濃度の測定、炎症と酸化ストレスの評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、高額な試薬類を購入する必要がなかったため、次年度使用額が生じた。余剰金は、予定通り消耗品(麻酔や抗体、ELISAキットなど)に充てる。

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公開日: 2023-12-25  

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