研究課題/領域番号 |
22K21223
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中尾 彩佳 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (30967253)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 超音波診断装置 / ストレッチング / 筋輝度 |
研究実績の概要 |
各筋の効果的なストレッチング方法の開発や効果検証のため、個別の筋の伸張量を非侵襲的に定量化できる指標が必要である。本研究は、一般的な超音波診断装置で測定可能な輝度が筋伸張に伴い変化するかについて、若年者および高齢者において検証することで、輝度を新たな筋の伸張量の評価指標として適応可能かを明らかにすることを目的としている。 今年度は、若年者において収集したデータについて解析を行い、論文作成および国際学術誌への投稿を進めた。若年男性16名を対象とし、足関節角度を他動的に変化させた際の腓腹筋の輝度を測定した。輝度の評価には超音波診断装置で撮像したB-mode画像を用い、関心領域内のグレースケールの平均値を求めた。解析は、筋内に最大の関心領域を設定する方法と全被験者の全画像で深度と大きさを統一した四角形を関心領域とする方法の2種類で実施した。各被験者の輝度と足関節角度とのPearsonの相関分析を行い、相関係数rを算出した。その結果、他動的足関節背屈に伴い、腓腹筋の輝度が増加することが示され、特に筋内に最大の関心領域を設定して解析した輝度を筋の伸張量の指標として応用できる可能性が示唆された。 今後の研究の展開として、この結果を汎用化できるか調べるため、若年男性に比べて筋内脂肪が多く元々輝度が高いとされる女性や高齢者においても筋伸張に伴い筋の輝度が増加するかを検証するため、現在、女性を対象とした検討を進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
女性での検証を行う前に、よりよい輝度の解析方法を調べるため、若年男性を対象としたデータを用いて追加解析を行ったため、2022年度に女性での検証を終えるという計画から遅延している。ただし、現在女性での検証を実施中であり、早急にデータ収集と解析を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
若年男性に比べて筋内脂肪が多く元々輝度が高いとされる女性や高齢者においても筋伸張に伴い筋の輝度が増加するかを検証するため、女性および高齢者を対象として、筋が短縮位となる関節角度から筋が伸張位となる関節角度まで他動的に動かした際の筋の輝度を測定する計画である。得られた結果については、学会発表や論文作成を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大の影響により、海外渡航が制限されたり、学会がオンライン開催となったりしたため、学会参加に伴う旅費を使用しなかったため。また、学外の対象者をリクルートしての実験が行えず、謝金の支払いが行われなかったため。 次年度の使用計画として、国際学会に参加するために必要な旅費として使用する。また、今年度実施できなかったデータ計測を行う際に、対象者への謝金として使用する。
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